ベグライテン 5月例会
現代世界の権威主義化と宗教の影響
講師 島薗 進 さん(東京大学名誉教授、NPO東京自由大学学長)
日時 2025年5月31日(土) 14:00~16:30
(13:30から入室できます。)
(当日参加できない方は、事後録画配信をご利用ください。)
場所:Zoomによるオンラインで行います。
講師からのひとこと
米国のトランプ大統領の 民主主義の基盤を破壊し、好んで国際関係を悪化させて国内の支持を広げようとするやり方に、世界の多くの人々は怒り、かつ困惑している。その基盤に新たなテクノロジーを利用して巨万の富を稼いできた人々と福音派キリスト教の勢力があるが、そのどちらもが終末観的な考え方に取り憑かれているとされる。
このように米国が思慮を失った宗教的思考に動かされるようになる背景には、9.11の同時多発テロの衝撃があり、その後のアフガン攻撃、イラク攻撃の失敗がある。ある意味では、イスラーム主義者の挑発に乗ってしまったのだが、イスラーム主義の宗教性に刺激を受けて来た面もある。
イスラエルのガザ攻撃も宗教性が大いに影響している。シオニズムは世俗主義と一体と考えられてきたが、今やユダヤ教シオニズム、キリスト教シオニズムが戦闘的で抑えがきかない勢力を支えている。
ロシアのプーチン大統領とロシア正教会の癒着や、インドのヒンドゥーナショナリズムの覇権主義も危うい。西洋近代の世俗主義が信用を失い、世界の諸地域の人々が宗教的資源によって政治的勢力を強めようとする傾向が強まっている。
日本の2010年代にもそれは顕著にみられた。こうした動向をどのように捉え、それにかわる道をどのように展望していくのか、ともに考えていきたい。
講師略歴: 1948年東京生まれ。1977年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学文学部宗教学宗教史学科教授、同大学院人文社会系研究科教授、シカゴ大学客員教授、チュービンゲン大学客員教授、カイロ大学客員教授、上智大学大学院実践宗教学研究科研究科長、同グリーフケア研究所所長を経て、現在、大正大学客員教授、龍谷大学客員教授、上智大学グリーフケア研究所客員所員、NPO東京自由大学学長、東京大学名誉教授。
主な著書:『宗教学の名著30』(筑摩書房、2008年)、『国家神道と日本人』(2010年、岩波書店)、『日本人の死生観を読む』(2012、朝日新聞出版)、『現代宗教とスピリチュアリティ』(2012、弘文堂)、『宗教を物語でほどく』(2016年、NHK出版)、『ともに悲嘆を生きる』(2019、朝日新聞出版)、『新宗教を問う』(2020、ちくま新書)、『戦後日本と国家神道』(2022年、岩波書店)、『教養としての神道』(東洋経済新報社、2022年)、『なぜ「救い」を求めるのか』(2023、NHK出版)、『死生観を問う』(2023、朝日新聞出版)
参加費:一人 1,000円(入金後のキャンセルはご容赦ください。)
申込み方法:ズームによるオンライン & 事後録画配信
次のpeatixアドレスをクリックし、開いたページの右側下部にある「チケットを申し込む」ボタン(橙色)から申し込んでください。
https://begleiten250531.peatix.com/
*コンビニからのお申込み・お支払いは5月30日(金)まで、クレジットカードを使用してのお申込み・お支払いは、5月31日(土)12:00までです。
*当日時間が取れず、録画配信を希望する方は、アンケートにその旨記入してください。
ZoomのURL:お申込み確認後、5月31日(土)13:00~13:30にZoomのURL、ID、パスワードを、個別にご連絡します。
Zoomを利用されたことのない方は、使用方法をお伝えします。お申込み時にお知らせください。

主催 : ベグライテン
HP: http://begleiten.org/
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連絡・問合せ先:関根 090-9146-6667 k_sekine@f7.dion.ne.jp